法王召集の緊急会合が11月か12月、ということで、「緊急会合」とはいえ、いわゆる「緊急」ではないのかも、と少しばかりほっとしたのもつかの間。
昨日のパユルでは「法王、来月のヨーロッパ行きをキャンセル」とのニュースが! Dalai Lama Cancels Europe Visit to Rest 「これは……もしや……」と、誰もが心配したと思う。昨日夕方、私がパユルを見ようとした時は各記事を展開できず、サーバへのアクセスが過剰になった場合のエラーメッセージが表示されていたのも、気になった。原因はサイトを公開しているサーバーそのものだったのではなくて、日本からパユルのサーバまでの経路上にあったのかもしれないし、一概には言えないけれど。また、今朝は連帯委員会のサイトもしばらくの間、謎の白地に「Access is denied」の表示になっていたし、亡命政府幹部レベルで情報の錯綜があるのかも?などと、私自身としてはかなり不安が昂じていた。 今、パユルの「ヨーロッパ行きキャンセル」記事を見たら、すでに5700回以上も読まれている。これほどの閲覧回数は、オリンピック期間中の記事にもなかったような気がする。 一方、チベットNOW@ルンタの最新エントリ(9月15日)では、さっそく関係者にインタビューいただいている。 それによると、法王の主治医いわく: 「全然心配いらない。ただおなかをこわされただけだよ。誰にもあることだ。至ってお元気だ。ただ、あまりにスケジュールが過密だ。外訪のときには様々な食事が振舞われる。時差も問題だ。だから今回は大事をとって見合わされることをお勧めしたのだ」 ナムギャル寺のゲシェラいわく: (法王様は)皆が心配していると思われたのか 「自分は全く元気で健康だ。しかし最近腹痛を覚えた。胆石の痛みだということだ。 手術をすれば問題ない。来月ティーチングが終わったら手術する予定だ。」 と私たちに話された。 ……これらの発言を受けて、N氏は「胆石の手術であれば問題ないはず。かえって隠すと、人々は大袈裟に心配したりする。公表すればいいのに、と思ってしまう」と結んでいる。 その通りだと思う。 以下は私の乏しい経験からの感触にすぎないので、話半分で読んでください。 チベット人達の人柄について、「苦境にあってもとても明るくて、楽しむことが好きで、屈託がない」といったふうに一般化されて語られるのをよく耳にするけれど、私自身は必ずしも、そのようには感じていない。彼らが「いつも明るく、楽しく」振る舞っているように見えるのは、「そうでもしないとやっていけない」現実があることも影響しているはず。本能的な自己防衛から、意図的に明るく楽しげに振る舞い、そうして、そのように自分を持っていくのにおおかた成功していて心の底から楽しそうにしている人々が多いように見えるけれども、もちろんそういう人たちばかりではないし、人前では表向き楽しげな状態を保っている人々でも、夜中にはうなされて寝床から飛び起きているかもしれない。ダラムサラにいて街の人と話をするごとに(といっても、私が話をできたのはあくまでも英語を介して、に過ぎなかったけれど)その、人々のなかの見えない「そこ」(其処であり、底でもある)が、気になっていった。 大切な情報を扱う時、なんらかの配慮が働くのは当然だと思う。法王が、あるいは亡命政府が、「明るく楽しげな表情」を薄皮一枚でかろうじて保っているかもしれない人々を慮って、どのような情報をどのようなオブラートで包もうとしているのか……? 私には見当がつかない。
by epea
| 2008-09-15 19:41
| チベット・中国関連
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